NPO法人ARDA
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アートわっか・すぎなみ 初めてのアートカードゲーム

対話で美術鑑賞 2018年01月27日

今年の冬の冷え込みは厳しい。
そんな芯まで冷える1月も下旬、N小学校での初めての美術鑑賞教室が行われた。
この小学校がある地域は個人的に小さい頃から慣れ親しんだところなので、あの頃と比べながら、懐かしんで駅から小学校まで歩いて向かった。

校門を抜けて図工室に入るとカラフルで印象的なインテリアに驚く。そんな中授業が始まった。

「この授業はおしゃべりをする授業です」
「算数の計算のように答えは決まっていません」
「友達の意見をよく聞いて、なんでも発言してみよう」 

最初のオリエンテーションでの説明に子どもたちは半信半疑の表情だが、

「アートカードを使ってゲームをしながら学習します」

の一言で目の色が変わる。「カード」「ゲーム」というワードが見事に子ども心を掴んだようだ。

各班のわっかさんのファシリテェーションで授業は進んでいく。
自己紹介が終わり最初の「共通点探しゲーム」が始まる。
わっかさんのデモンストレーションが終わるとさすが飲み込みが早い。

「やってみたい!」の声とともに「じゃんぽんけん!」と順番を決める子どもたち。
神経衰弱のように、表にめくった3枚の作品カードの中から、共通点を探していく。

 

「この絵の実際の部分と水面に映った部分って左右対称、だったらこれも同じ、左右対称に見える!」
「こことここ、同じ緑色でも微妙に違うんじゃない?」
「これって上から見たら丸の形だからここの形と一緒!」 

子どもたちから次々と様々な意見が出る。
毎度思うのだが子どもたちの意見は本当に斬新。
我々も「なるほどー」と感心してしまうことも。 

「共通点探しゲーム」で場が温まったところで、次の「物語作りゲーム」へ。

裏返しのまま2枚とり、もう1枚を自分で選んで組み合わせて、自分なりのオリジナルストーリーを発表する。
「共通点探しゲーム」に加えて、こちらは子どもたち独自のアイデアや発想力もプラスされより自由な意見が出ることが多い。

「この女の人が」
「このトンネルを通って出てきて振り返ったら」
「こんな顔になっちゃった!」 

どっと笑いが起きる。
たった3枚のアートカードだけでも子どもたちの発想が加わることによって心揺さぶられてしまう。

「もっとやりたい!」

子どもたちから自然と声が出るも、残念ながらタイムアップ。
まとめの振り返りを行なって授業終了。

「今日は楽しかった」
「いろいろな意見が出て、みんな考え方が違うんだなと思った」
「物語作りゲームが楽しかった」

 最初の緊張気味の顔とは明らかに違う表情になって教室を出る子どもたち。

「ありがとうございました」

コミュニケーターをやっていて嬉しいことは子どもたちから「楽しかった」という意見を聞けること。
全てが終わってお昼過ぎなのにとても寒いけれど、帰り道に子どもたちの事を思い返して心はほっこりできるようなそんな授業でした。

 (アートわっか・たかなか)