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震災復興支援・こころをつなぐアートプロジェクト (2011) vol.4

アートワークショップ 2011年10月01日

■9/29(木)南相馬市鹿島幼稚園

「げいじゅつ大サーカス!」講師:今井紀彰(いまいのりあき/写真家・美術家)
9:30-10:30 5歳児(きりん組)27名 保育士1名
10:30-11:30  5歳児(ぞう組)28名 保育士1名

「アクション・お絵かき!」講師:中津川浩章(なかつがわひろあき/美術家)
9:30-10:30 5歳児(ぞう組)28名 保育士1名
10:30-11:30 5歳児(きりん組)27名 保育士1名

「からだであそぼう!」講師:新井英夫(あらいひでお/ダンサー・体奏家)
9:30-10:30 4歳児(ぱんだ組)23名 保育士1名
10:30-11:30 4歳児(こあら組)24名 保育士1名

参加人数: 計157名(のべ)  102名
協力:福島県立博物館
取材:福島民友、福島民報、ラジオ福島「夕焼け番長・復興情報ファイル(10/10)」
助成:アモーレパシフィック

福島県立博物館の橋渡しで、南相馬市鹿島幼稚園でもワークショップを行うことになりました。東大の児玉龍彦氏が除線を行い、園内の放射線量もかなりさがり、窓をあけて活動できるようになりました。しかし、子どもが外で遊ぶことはまだできません。室内で身体と心を思いっきり動かして遊べる3つのワークショップを行うことにしました。当日はホール1つと保育室2つを同時に使って3カ所で3種のワークショップ。どこの教室からも楽しそうな笑い声や歓声が聞こえてきました。(三ツ木)

「からだであそぼう!」

新井英夫さんの「からだであそぼう!」では、4歳児さんをクラスごとに2回のワークショップを行いました。身体をつかって表現していくので、外で遊べない子どもたちに思いっきり身体を動かしてもらいたいと思って取り組みました。
ぱんだ組さんは、はじめ何がはじまるのかのドキドキ感がこちらにも伝わってきました。大きな声で「あーらーいーさーん」と呼ぶと、これまた不思議なチューブ人間が倉庫から・・・。蜘蛛の子を散らすように声を上げながら逃げまどいながらも好奇心いっばいの子どもたちの目はピンクから離れません。やっと赤い服をきた新井さんの登場に歓声。

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ドキドキが納まらないままみんなで大きな1つの輪になってお友達も見合えるかたちで身体を動かしていきました。だんだんお互いに馴染んできたところで、自由に身体全身でブラブラブラ。

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ブラブラブラのあとのピッタとポーズもそれそれ決まって、万遍の笑みが溢れてきました。新聞紙を使い音を出さないように静かに動き、みんな上手くできるとみるみる自信顔になってきました。
こあら組さんは、しっかりタイプの子どもたちがさりげなくお友達を気遣いながら場面場面でサポートする様子をよく見かけました。ピッタとポーズを決める場面では、いろいろなお友達とつながってポーズをつくっていきました。全身を自由におもいっきり動かし、最後までみんな集中して参加していました。チューブをくぐって自分のクラスに帰る際は、夢見心地の表情になっている子もいました。(加藤)

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「げいじゅつ大サーカス!」

保育士さんが楽しいことがあるよ!と声をかけてくれていたせいか、初めからワクワクしまくりの子ども達。今井さんが一つ一つのコーナーの説明をすると、その度に「うぉー、すげー!」「わー、きれい!」と目をキラキラさせながら、歓声があがります。

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きりん組さんに一番人気だったのは、「なんでもスイッチ」。自分の希望や夢を託せることが嬉しかったよう。ある女の子をがつくった「お父さんと馬に乗るスイッチ」。保育士さんからその子は津波でお母さんを亡くしたというお話を聞きました。他にも「みんなが元気になるスイッチ」や「空をとびたいスイッチ」など。作った作品一つ一つに気持ちが表れていました。

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どのコーナーも大人気で、ずっと同じところで繰り返し遊ぶ子や全部のコーナーを楽しむ子と、様々ですが、時間が来てもまだまだここで遊んでいたいと、夢中になっていました。(三ツ木)

「アクション・お絵かき!」

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5歳児の2クラスを順番に実施しました。まずはぞう組さん。2人ずつ順番に長い画用紙の上にのって端から端まで、1本の長い線をひいていきます。中津川さんの呼びかけにあわせて描くにつれて、子ども達にも描く線にもどんどんと勢いが出てきます。順番待ちが出るほど、何度も紙の上を走り回りました。
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色んな線を描いた後は、自由に好きなものを描きます。渦巻きの隙間に小さな絵を描く子もいれば、渦巻きを描くのが止まらない子も。紙の上を縦横無尽に走り回ったり、じっとその場で描いたり、子どもたちそれぞれの楽しみ方を発見しているようでした。

次はきりん組さん。長い線を描いた後は、グルグル渦巻きを描きます。紙から出ているクレヨンの部分をすぐに使い切り、何度も紙をはがす子。描く力でクレヨンが折れる子。巻かれた紙をすべてはがし、クレヨンを横向きにして使う子。何本もいっぺんに握って描く子。何ともパワフルです。色の上に新たな色が重なっていくさまに、「雲みたい」「嵐だよ!」と、イメージも重ねてゆきます。「津波だ-、全部飲み込んでいっちゃうぞ~」と言いながら、黒のクレヨンでグルグルと塗りつぶす女の子。心に焼きついた震災の影響を感じさせる場面もありました。子どもたちの描く姿は、自分の動きとクレヨンの色の連動を楽しんでいるかのよう。集中力は最後まで上昇し続けたように感じられました。クレヨンの色がついた手をうれしそうに見せてくれたり、足や腕に自ら色を塗ったりする子も。クレヨンとその色を全身で楽しみつくしました。
活動を通してできた作品は、色が何層にも重なり、線が自由に駆け巡る、子どもたちの力強さを感じさせるものになりました。(近田)
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終了後、保育士さんからも「とにかく子どもが楽しそうで、喜んでいた」「思いっきり発散していた」「似たようなことを日常でもやっているが、ちょっとやり方も違っていて発見があった」「4歳児にとって1時間は長い時間だが、ずっと集中していた」「何が何だかわからないくらい夢中で楽しかった!」「収集つかないくらい楽しんでいた。」「また来てくれるといいねと子どもと話した」とコメントを頂きました。(三ツ木)

助成:アモーレパシフィック

アーティスト:新井英夫・今井紀彰・中津川浩章

主催・企画:NPO芸術資源開発機構(三ツ木紀英・近田明奈・加藤直子)
協力:福島県立博物館

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■9/30(金) 14:20-17:00 戸倉小学校

「げいじゅつ大サーカス!」今井紀彰(いまいのりあき/写真家・美術家)

参加人数:計55名(のべ)
     (色ラボ19名、なんでもスイッチ11名、まっすぐにくぎをうて!9人、
 この辺で顔をさがせ16人)

共催:NPO法人キッズドア
助成:アモーレ・パシフィック、JKA・オートレース

宮城県南三陸町戸倉地区は町全体が壊滅状態。3階建ての戸倉小学校は屋上まで津波がやってきて、骨組みしか残っていませんでした。そこで隣町の登米市の廃校を掃除して「戸倉小学校・中学校」として、5月10日に再開させました。学校のスタートが遅れたこともあり、NPO法人キッズドアが、放課後に学習支援をしています。校長先生より、子ども達の気持ちを解放するアート・ワークショップを実施して欲しいという要望があり、NPO法人キッズドアを通して、ARDAが「げいじゅつ大サーカス」を行うことになりました。家族ごと登米市に移住している子と戸倉地区に住み続け、送迎バスで1時間かけて通っています。キッズドアさんからはスタッフ1名ボランティア3名の計4名に、子ども達のサポートを手伝って頂ました。(三ツ木)

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日頃の学習支援ですでに子ども達と顔見知りボランティアの方が協力してくださるのは心強いものです。オープンすると、準備の最中から声をかけてきた子どもたちが、興味しんしんでやってきました。
『いろラボ』は学生ボランティアのおにいさんが担当。はじめは慎重に一滴一滴ビンに落としていっていましたが、ビンの色水がだんだん濃くなってくるとスポイドいっぱいにして混ぜていったり。おにいさんとの会話を面白がりながら、何個も作って窓際に並べていきました。

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『なんでもスイッチ』では女の子たちはアイドルユニットになりたいなど憧れるものへの変身スイッチもありました。『この辺で顔をさがせ!』は、はじめは戸惑っていた子どもたちもルールを理解すると、いろんな所に顔をみつけてくるようになりました。
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途中から『釘を打て』のワープショップも加わり、ボランティアのお兄さんも混じって釘打ち競走をしました。釘打ちの得意なKくんは細い虫ピンもあっという間打ち込み、大人を軽々と負かせていました。途中、校庭に遊びに行っては、また戻ってきたり、1つ1つのワープショップをじっくり参加する子どもいれば、一通りやってまたはじめからやる子もいたりと自分たちのペースで時間いっぱいまで、楽しんでいました。(加藤)

**キッズドアボランティアスタッフのコメント**

前回の南三陸の活動は、アート活動も加わり、変化に富んで、子供達も積極的に楽しんでいました。
女の子達は秘密が好きなようで、校庭の隅に連れて行かれ、アイドルになりたいという女の子達の歌を聞かされました(^-^;)。あとで「この歌を歌うとさ、気持ちが楽になるんだよ…。」と言っていて、小さい子供達から「気持ちが楽になる」という言葉を聞いて、ホロッときました。一見、元気が有り余っている感じですが、家を失ったり、家族や知り合いを失ったりしている子供も多く、年齢以上の我慢をしているのかもしれません。学校の先生方は学校を軌道に載せるのに、親も生活の再建や将来への不安に立ち向かうのに必死だと聞きます。親でも先生でもない立場の大人達のあたたかい見守りが必要なのだと実感しました。

助成:アモーレパシフィック、JKA・オートレース

アーティスト:今井紀彰(写真家・美術家)

主催・企画:NPO芸術資源開発機構(三ツ木紀英・加藤直子)
協力:NPO法人キッズドア

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■10/1(土) 10:30-16:00 七ヶ浜町みなと浜仮設住宅 集会所

「げいじゅつ大サーカス!」
アーティスト:今井紀彰(いまいのりあき/写真家・美術家)
参加人数:計36名(のべ)
     (色ラボ16名、なんでもスイッチ8名、この辺で顔をさがせ12人)

助成:アモーレパシフィック
協力:NPO法人アクアゆめクラブ、NPO法人レスキューストックヤード

ここは七ヶ浜の中でももっとも小さな仮設住宅です。大きな仮設住宅には色々と支援も入ってきますが、小さな仮設住宅は支援が少ないのが現状です。9/8に下見をし、あえてこの小さな仮設住宅で実施することにしました。ちらしは周辺の仮設住宅や地域の子どもが集まるイベントで、見守りのNPOさんに配布してくれました。当日は離れた仮設や、車で来てくれた母子もいらっしゃいました。10時前から準備をはじめると早速子ども達が何人かやってきて、準備の手伝いから参加してくれました。

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ほとんどの子が最初から最後までいてくれて、写真をとって絵を描いたり、色を混ぜたり、夢の叶うスイッチを作ったりと、5時間くらい遊び尽くしてくれました。色ラボでは2箱半あった瓶をすべて使うほどでした。

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午後はおやつを食べながら、みんなで新しい遊びを考えるワークショップ。これまでとっても嬉しかったことや美しいと思った事を順番に語り合い、そこからみんなで連想ゲームをしていきます。私たちがワークショップを提供するだけでなく、みんなで遊びを作るようなコミュニティになっていくといいなと考えました。
繰り返し空や雲のお話をする女の子。「震災で死んでしまったおじさんがいてね。お葬式のとき空を見たら、雲がそのおじさんの顔にそっくりだったの。」その子は顔を探すコーナーでは雲に顔を描いた作品を作っていました。

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また今まで一番悲しい話をしたいという女の子。「この間の地震で、津波が家を飲み込んじゃったこと」とお話してくれました。すると私の隣に座っていたその女の子のおばあちゃんが、3月11日の事を私に話してくれました。仮設にはいった直後は、集会室に来るとボランティアの人にかわるがわる津波のことを聞かれ、そのたびに涙がでて辛かったそうです。おばあちゃんのおうちは漁師さんで、今新しい船をオーダーしていて、新しい生活の一歩を踏み出しつつあります。結局時間切れで、新しい遊びはできませんでしたが、みんなの心にある大事なことを分け合えた時間でした。

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終わったあとは最後の片付けまで、残ってお手伝いをしてくれた子ども達。「また来てね」「うん、また来るね」と何度も言い合いました。そして、荷物を載せて、私たちの車が出発しても、見えなくなるまで手を振って見送ってくれました。小さな集会室でしたが、とても密なつながりができたとスタッフみんなが実感しました。そして、こういった心と心のつながりが、次への一歩へとつながるように思います。
(三ツ木)

9/29,30,10/1のワークショップ参加人数合計 252名(のべ)

助成:アモーレパシフィック

アーティスト:新井英夫・今井紀彰・中津川浩章

主催・企画:NPO芸術資源開発機構(三ツ木紀英・近田明奈・加藤直子)
協力:福島県立博物館、NPO法人キッズドア、NPO法人アクアゆめクラブ、NPO法人レスキューストックヤード