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高齢者・アートボランティア養成講座「ダンス」

アートワークショップ 2018年12月07日

高齢者・アートボランティア養成講座「ダンス」
体験:2018年9月11日(火) 参加者:入所者23人、受講者7人
実践:2018年9月13日(木) 参加者:入所者20人 受講生6人
会場:浴風会老健くぬぎ

ダンスの講師はダンスグループ「ベストプレイス」を主宰し、障がいのある方々とのダンス表現に取り組んでいる竹中幸子さん。一方で未就学児とのワークショップも行っており、幅広い人と関わっているアーティストです。
今回は「ゆっくりダンス!からだで遊ぶ!」というタイトルで、その人なりの動きを引き出すワークショップを行いました。


9月11日に体験講座を行いました。会場では入所者の方々と受講生が一緒に輪になって座ります。竹中さんが一人ひとりに今日呼ばれたい名前うかがって全員で大きな声でコールし、それに返事をするところからスタート。子どもの頃の愛称を教えてくださる方もおり一気になごやかな雰囲気になりました。 隣同士で互いにタッチしたり一つの形を作ったりしながら少しずつからだを動かしていきます。無理な動きはしていないのに、それぞれの形が出てくるのがおもしろいところ。後半のゴムを使った活動でもさらに複雑な形が生まれていました。童謡がかかると自然と波を表現したり東京音頭のリズムにのったり。楽しげな様子に途中から参加される方もおり、入所者と受講生とが混ざり合って活動を楽しみました。

終了後のふりかえりでは、職員の方からも感想をうかがいます。気持ちが盛り上がりいつもより積極的に動こうとされる入所者の方もいたとのこと。うれしいことではあるけれど…と安全面への配慮について改めて確認しました。また、受講生とは各活動の意図をじっくりと確認。自分でやってみた後だと、活動のポイントもすっと入ってくるようでした。

2日後の9月13日は実践講座。受講生にとっては2回目のワークショップです。体験講座をふまえた受講生の目配り気配りのすばらしさ、入所者の方々との活動を楽しむ気持ちにあふれた笑顔がいっぱいの時間になりました。

竹中さんが一人ひとりとタッチしていくと「柔らかい体!」と感嘆する声が上がり、入所者の方に選んでもらった曲での竹中さんとの即興ダンスには車椅子の方も参加し拍手につつまれました。受講生は竹中さんが大切にしていることをよく理解くださり、自ら新鮮な動きに挑戦したり入所者との連携を試みたりする様子が随所で見られたのも印象的です。竹中さんと受講生がしっかりとタッグを組んでいることで、入所者の方々を含めたその場の一体感が生まれていました。


ふりかえりでは、黒一点の男性入所者が大きく腕を動かして竹中さんの動きに即興で応えていた姿に「竹中さんの非日常の動きが動きたいという気持ちを引き出していた。リハビリ的にも感情の発露としてもこういう時間の必要性を感じた。」という感想や「ダンスのワークショップでは『つながる』という感覚が、心とからだを解放する気がする。」との感想など、アーティストのワークショップの力について次々と語られ話はつきませんでした。 「ぜひ実践できる機会がほしい」という言葉もいただき、頻繁な場がない現状を憂うと共に今後の取り組みへの気持ちを強める機会となりました。
<ダンス担当>近田明奈