NPO法人ARDA
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29年度港区ふれあいアート Co.山田うん「自由なおもしろダンス」

アートワークショップ 2017年11月10日
港区の幼稚園でコンテンポラリーダンスカンパニー「Co.山田うん」のワークショップを実施しました。講師はカンパニーダンサーの伊藤知奈美さんと城俊彦さん。4歳児クラスと5歳児クラスを対象に7月と9月に1回ずつ行い、各クラス約20人ほどの子ども達が参加しました。
 
伊藤さん、城さんはこちらの園に数年にわたり毎年ワークショップに行っており、担任の先生や園長先生との信頼関係も築かれ、打合せも『お久しぶりです』と和やかにすすみました。毎年子ども達は変わるので、普段先生たちが感じていることや、ワークショップを通じてどんな体験を子ども達に届けたいのかお話しを伺いました。
 
 
ワークショップ当日。 
まずは4歳児クラスからスタート。はじめての人と活動内容に対して、興味深々で前のめりな子、先生や友達にぴったりくっついて様子を伺う子など、子ども達の反応は様々。挨拶や自己紹介から自然と真似っこダンスがはじまり、子ども達からでてきた動きや言葉を拾いながら、次々と面白い動きを生み出す城さん・伊藤さんに子ども達が夢中になっていきます。
 

左の写真はワークショップ前半、右はワークショップ後半の様子です。最初は城さん・伊藤さんを目で追いながら真似っこしていた子ども達が、最後のほうでは自分で動きを見つけていったり、お友達同士で向き合って踊りを楽しむ様子が見られました。

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少し休憩をとって、5歳児クラスがスタート。子ども達の多くは昨年すでに2人のワークショップを受けています。子ども達も2人との再会にとても嬉しそうで、最初から動きも声も大きく、エネルギーを感じました。また4歳さんに比べて5歳さんは動きもダイナミックで、偶然でてきた動きを夢中で繰り返す子や、城さん・伊藤さんの動きに触発されて独自に動きはじめる子や、それを真似する子がいたり、自然発生的に様々なダンスが生まれていました。

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2回目の実施は1回目から2か月ほど間があきましたが、子ども達は前回の体験をとてもよく覚えていて、今日を楽しみに待ってくれていました。2回目のワークショップは、前回の真似っこダンスから自由ダンスへと展開しました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
4歳児クラスのワークショップの後半、1人ずつ前にでて踊る場面で『やりたい人!』と城さんが声をかけると『はい!はい!』と元気よくたくさんの子ども達から手があがり、そのエネルギーに驚きました。手をあげたものの、いざ前に立つと恥ずかしくなり戸惑う子もいましたが、その恥ずかしさから『えいっ』と踏み出して動き出したときの子どもの姿や、終わったあとの嬉しそうな顔はとても印象的でした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
9月に入園してきたばかりの男の子と途中で足が痛いと踊るのをやめていた女の子は、座ってみていることが多く、最初は緊張している感じもありましたが、後半になると『○○くんすごい!』『面白いね~』『○○みたい!』など、近くにいる私にたくさんお話ししてくれ、変化を感じました。
 
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続いて5歳児クラス。クラスの後半、1人ずつ踊る場面では、堂々とその場ででてきた自分のダンスを踊るスーパーダンサーも続出!こちらが驚く瞬間がたくさんありました。1人では勇気が出ない子も、『一緒にやろう!』と2人、3人で前にでていく姿も見られました。
 
 
なかなか動きだせず困った顔をした子に周りの子が『がんばれ~』と声をかけたり、
手足の小さな動きに『あ!足が動いてる!』『面白い!』と見ているほうから気づきが広がったり、
踊ることも観ることも、みんなで楽しむ姿がありました。
 
 
最後の自由ダンスの時間では、手をつないだままどんな形ができるか試行錯誤する男の子3人組や、2人の女の子がはじめた動きを周りの子たちが真似しはじめ6-7人のグループダンスになったり、お友達と興味や関心を発展させていました。
 
 
ワークショップを通して終始、伊藤さん・城さんが子ども達からでてきた動きを「いいね」「面白いね」と言葉をかけ、一緒に楽しむ姿が、子どもたちの自信や挑戦する気持ちに繋がっていたように思います。先生からも普段表現活動が苦手な子の積極的な姿や新たな一面を見れたというコメントがありました。子ども達のエネルギーが開放され、たくさんの笑顔と驚きに出会えたワークショップでした!(文・写真/みのり)

 

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アーティスト・Co山田うん ダンサー・振付家の山田うん主宰のダンスカンパニー。国内外の舞台活動と並行して、全国各地の保育園、幼稚園、学校、障がい者施設等で長年ワークショップを展開。大きな心持ちと、鍛え抜かれた身体、そしてダンス以外の様々な表現、人生経験を活かし、全身全霊を投入するパフォーマンスは観客やワークショップ参加者に生きる歓びを与え、反響を与えている。http://yamadaun.jp/