NPO法人ARDA
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深い!鑑賞ファシリの為の現代アートをみる会「M式『海の幸』森村泰昌」レポ

対話で美術鑑賞 2022年01月14日

以前からARDAの活動に共感し、3日間の鑑賞ファシリテーター講座を終えて、対話型鑑賞の持つ力が人や社会を良くしていくと実感してインターンとしてお手伝いさせて頂きました、みぃです。今日は、「現代アートを見る会」をレポートします!

大好評だった前回に続き、2021年11月から3回シリーズで「鑑賞ファシリテーターのための現代アートをみる会」が開催されました。この会は、ARDAが育成に関わる鑑賞ファシリテーターの方々を対象に、多様なテーマを扱う現代アートに向き合い、鑑賞ファシリテーターとしての鑑賞力や感性・知性、自分の言葉を磨いていくことを目的とした企画です。

今回取り上げた展覧会は、アーティゾン美術館で開催された「M式『海の幸』森村泰昌:ワタシガタリの神話」。現代美術の巨匠の作品は「日本の現代美術」のど真ん中であり、観ること考えること調べることが満載でした!

まず1日目はオンラインにて展覧会の予習をじっくりと。作家の情報や背景をインプットしつつ、皆で主要作品を対話型鑑賞。さすがは鑑賞ファシリテーターの皆さん、対話型鑑賞が始まると作品への興味・解釈が尽きません。ずっとこのまま対話型鑑賞を続けたい思いを抑え、続きは第2日目のお楽しみに。次回の美術館訪問への期待が高まります!

 

いよいよ2日目。展示室では対話ができないため、展示室では各自でじっくりと作品を鑑賞していきました。
この会は、現代アートの背景を自ら調べて理解しようとする「美的発達段階3」を経て、背景を踏まえて自分の目でみて感じたことや考えたことを言葉に紡ぐ、「豊かな4段階」を目指していくものでもあります。予習で得た視点や与えられた問いを踏まえて、深い鑑賞しようとする真摯な姿は、自分で自分を鍛える「豊かな4段階」を目指す姿そのもの。

鑑賞を終えた後は貸会議室に移動して対話の時間。改めて「森村はなぜ青木繁と《海の幸》に着目したのか?」、「森村が問うた日本とは?」「これらの作品は一体どのような作品なのか?」といった問いをたてて、考えたことを語り合いました。

仲間の発言から、気づかなかった視点や問いがどんどん広がっていきます。「この作品は何を伝えたかったんだろう?」、「なぜ自分はそう感じたんだろう?」と、アートを通して自分自身との対話も深まっていきます。時間はアッという間に過ぎ、楽しく濃密な第2日目が終わりました。

   

そして、2週間後の最終日に向けて出された課題は「社会」「美術」「個人」という文脈から作品や作家について調べ、考えるというもの。実際の鑑賞を経て感じた自分なりの問いを踏まえて関連図書を読んだりして取り組みます。「こんな情報もあったよ!」等の情報共有もSNSを使って行われました。

しかし、ここが楽しくも苦しい時間でもあります。「自ら調べて理解する」の3段階目がある程度進み、「もう一度自分で考える」4段階目に近づくと、思考が思うように進まないことも。これは真摯に向き合っている証拠。ここが必要なプロセスです。そんなタイミングを見抜くかのように三ツ木さんからさりげないアドバイスが。

ー「作家はどう考えたのか?」という思考から、「そこから私は何を考え、どのように感じるのか?」に問いの方向を見直してみて。

最終日の発表では、それぞれが調べたことと作品について感じたことをブレイクアウトルームで発表した後、全体でシェア。「作家がアートを通して私たちに伝えたかったことはこんなことではないか?」「私はこんな問いを立てて考えてみました。」等、仲間達の発表に興味深く聞き入ります。

 
「こんなに深い鑑賞はしたことがなかった。」
「森村泰昌がしていたことは、究極の対話型鑑賞ではないか⁈」

一人一人が作品と作り手に真摯に向き合い、思考したことで、私達は作り手が表現した世界に本当の意味でふれることができたのではないでしょうか。

アートが持つ力の素晴らしさと、アートを介して私達鑑賞ファシリテーターが活動していく意義やその素晴らしさを改めて実感することのできた、濃厚でとても充実した時間となりました!

ARDAでは、引き続き鑑賞ファシリテーターが学び続けるための場づくりや企画も実施していきます。