NPO法人ARDA
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NPO ARDAシンポジウム詳細発表!

展覧会・シンポジウム 2023年02月06日

アートをいきいきと生きるチカラに-ARDA 20年の歩みとこれからを考える
NPO 芸術資源開発機構(ARDA) 20周年シンポジウム

各セッション詳細と登壇者プロフィール(敬称略)
Session1 アートと高齢者福祉:生きることの根源につながる活動
Session2 子どもが育つ環境とアートー遊び・学び・コミュニケーション
Session3 アートを通した学びーラーニングとしてのアーツ×ダイアローグ
Session4 ケアとコミュニティー分け合い、分かり合うコミュニティをつくる
Workshop アーツ×ダイアローグを更新するワークショップ

 

Session1.「アートと高齢者福祉ー生きることの根源につながる活動」
ARDA設立の経緯、阪神大震災をきっかけとするアートNPO興隆と実践のキーファークターをふりかえります。超高齢化へ向かう中で、何歳でも自己表現や潜在力を可能にする関係や場とはどのようなものか、アートワークショップや地域福祉の事例から語り合います。

パネリスト:
新井英夫(あらい ひでお) 体奏家・ダンスアーティスト

自然に沿い「力を抜く」身体メソッド「野口体操」を創始者・野口三千三氏に学び、深い影響を受ける。国内外での舞台活動と共に、日本各地の小中学校・公共ホール・福祉施設等で「ほぐす・つながる・つくる」からだのワークショップを展開中。2022年夏より進行性の神経難病(ALS)と向き合っている。

 

大井妙子(おおい たえこ) 認定NPO法人 ももの会理事長

両親や義母の介護を経て、東京YMCA福祉専門学校卒業後、2000年4月にNPO法人ももの会を設立。杉並区立小学校の旧校舎で区立高齢者サービスセンターをスタート。現在は移転し西荻ふれあいの家として運営。そのほかに西荻・まちふれあいかがやき亭を2010年にオープンし、年齢・性別・障害の有無に関係なく様々な人が一緒に過ごせる地域の居場所を作っている。社会福祉法人サンフレンズ評議員、元NPO法人東京YWCAヒューマンサービス理事。

加藤 種男(かとう たねお) クリエィティブ・ディレクター

NPO ARDA理事、Active Archipelego共同代表、アートNPOリンク理事。
アサヒビール及び同財団でアサヒ・アートフェスティバルを立ち上げ、あわせて文化芸術創造都市・横浜の旗振り役を務めた。特に、全国各地の地域創造、創造都市を結びつける多数のプロジェクトや制度を立案し、そのネットワーク形成に取り組む。昨年『祝祭芸術』を上梓し、祝祭芸術の観点から全国各地のアートプロジェクトを応援している。アーツカウンシルしずおかアーツカウンシル長、福井県文化事業団副理事長なども務める。12~17年企業メセナ協議会専務理事。

西智弘(にし ともひろ)*ビデオコメント
川崎市立井田病院 腫瘍内科部長/一般社団法人プラスケア代表理事

2005年北海道大学卒。室蘭日鋼記念病院で家庭医療を中心に初期研修後、2007年から川崎市立井田病院で総合内科/緩和ケアを研修。その後2009年から栃木県立がんセンターにて腫瘍内科を研修。2012年から現職。現在は抗がん剤治療を中心に、緩和ケアチームや在宅診療にも関わる。
一方で、一般社団法人プラスケアを2017年に立ち上げ代表理事に就任。「暮らしの保健室」「社会的処方研究所」の運営を中心に、地域での活動に取り組む。著書に『だから、もう眠らせてほしい(晶文社)』『社会的処方(学芸出版社)』など。

並河恵美子(なみかわ えみこ) ARDA創設理事

現代アートギャラリールナミ画廊(銀座)を1963〜1998年運営。その間、若手作家の育成、海外交流に力を入れ、オルタナティブスペースとして様々な文化を生み出す。特に日豪現代美術交流の基礎を築く。閉廊後、家族の介護や障がい者アートの出会いから、高齢者施設でのアートデリバリーを開始。2002年に杉並区在住のアート関係者とNPO ARDAを立ち上げ、高齢者から子どもまでを対象にアートワークショップや展覧会を企画し、人間の本質的な表現と向き合う活動を行なってきた。

モデレーター:杉浦幸子(すぎうら さちこ)
社会設計家(芸術文化領域)/インディペンデント・キュレーター

NPO ARDA理事、武蔵野美術大学芸術文化学科教授。
多様な生を育む人々が、豊かに学び、生きるために、「芸術・文化」に関わるさまざまな「人、もの、場」とつながりを育むプログラム、プロジェクト、組織をデザイン。特に、人とアート作品がつながる創造的行為である「鑑賞」をデザインする「鑑賞教育」に長年携わる。また、近年は乳幼児とアートを鑑賞でつなぐ萌芽研究に力を入れる。大学ではアートプランニング&マネジメントを中心にプロジェクト型授業を採用するなど、主体的・実践的な学習プラットフォームを提供している。

 

Session2.「子どもが育つ環境とアートー遊び・学び・コミュニケーション」
都市や被災地といった遊びの場が限られた子どもたちにとって、身体・音・造形などの表現は喜びと独自のコミュニケーションの時間となってきました。現代の環境をふまえたアートワークショップの今日的意義や子ども時代に育まれる力について、参加した保育士の声を交えて考えます。

パネリスト:
赤羽美希(あかはね みき) 音楽家/即興からめーる団メンバー。

東京藝術大学大学院音楽研究科修了。演奏・作曲活動と並行して、コミュニティ音楽プロジェクト「うたの住む家プロジェクト」「ザウルスの音楽ワークショップ」を主宰。多様な人との音楽遊び・創作ワークショップを企画・実施。現在は、教育・研究活動にも携わり、実践・研究・教育の幅広い分野で精力的に活動している。
国立音楽大学コミュニティ音楽コース、聖学院大学児童学科、東京音楽大学音楽文化教育専攻非常勤講師。
http://www.miki-akahane.com

齋藤歩(さいとう あゆむ)((公財)港区スポーツふれあい文化健康財団文化芸術課課長)

2013 年から指定管理者制度のもと都内文化施設で主に文化事業を担当し 2021 年より現職。港区の掲げる将来像「多様な人と文化が共生し文化芸術を通じて皆の幸せをめざす世界に開かれた“文化の港“」の実現に向けて職務に当たっている。

中津川浩章(なかつがわ ひろあき)美術家/アートディレクター 表現活動研究所ラスコー代表 

アーティストとしての制作活動と同時に、多様な分野で社会とアートをつなぐ活動に取り組む。アートワークショップ、障害者のためのアートスタジオディレクション、展覧会企画・プロデュース、キュレーション、選考委員など全国で多数務める。
NPO法人エイブル・アート・ジャパン理事、社会福祉法人アール・ド・ヴィーヴル理事、一般社団法人Get in touch理事。
https://www.lascaux-labo.com/

三ツ木紀英(みつき のりえ)ARDA 代表理事

英国留学後、美術館だけでなく街や教育・福祉の施設で展覧会やアーティストによるワークショップを企画し、アートによる社会の新たな可能性を開拓してきた。ARDAには創設時から参画。2011年にMoMAの元教育部長フィリップヤノウィンから1年にわたりVisual Thinking Strategiesを学んだ後は、各地の自治体や文化施設と協働し、市民のアート・コミュニケータを育成、それらコミュニティの活動を支援してきた。2021年 東京大学大学院学際情報学府 修士課程修了。

モデレーター:近田明奈(ちかだ はるな) アートワークショップコーディネーター

大学で美術教育を専攻。造形教室の講師や美術公募展の運営を経験し、ARDAでは10年以上港区ふれあいアート事業のコーディネーターを務める。アーティスト、施設職員、障がいのある方や被災地の方といった様々な参加者、立場が異なる人々の気持ちに寄り添った丁寧なコーディネートを心掛けている。

 


Session3.「アートを通した学びーラーニングとしてのアーツ×ダイアローグ」

小学校や美術館、企業研修など様々な場所で対話型鑑賞は行われています。子どもや鑑賞コミュニケーターや先生や学芸員、あるいはビジネスパーソンは、対話型鑑賞によって何をどのように学んでいるのでしょうか。今の社会に必要な学びについて考えます。

 

江口恒明(えぐち つねあき) 平塚市美術館学芸員

2004年より現職。展覧会と教育普及事業を中心に行ってきた。市民参加者と協働してつくるプログラムや学校連携事業にも携わる。2015年より「対話による美術鑑賞」を担当している。主な展覧会、2021年「スタジオクーカのパッパラパラダイス2021」、2022年「工藤麻紀子展」。2007年 学習院大学大学院人文科学研究科博士後期課程満期退学。

 

片岡久(かたおか ひさし) アイ・ラーニング講師、守拙塾代表

早稲田大学政経学部卒。日本I B Mで営業部長、マーケティング部長、渉外部長として、日本企業や政府のI T関連政策づくりを支援。2003年から人事・人財担当として研修事業に関わり、2009年からI B M人財ソリューション(株)社長、その後(株)アイ・ラーニングの社長として、「個人の成長が組織の成長」となるための支援をしてきた。2019年に社長退任後現職。最近のモットーは「学びのデモクラシーから学びのアナキズムへ」。

 

髙島裕樹 (たかしま ひろき) 大和市立北大和小学校 校長

県立養護学校での採用後、大和市内小学校教諭として勤務。ナイロビ日本人学校で在外勤務を経験し大和市教育委員会指導主事を経て、大和市立小学校教頭職を3年間、校長職を5年間努めている。教諭・市教育委員会担当者・管理職の各立場で「大和市対話による美術鑑賞」と接してきた。

 

桑原和美(くわはら かずみ) ARDAコーディネーター・理事

財団法人工芸学会・麻布美術工芸館学芸課勤務を経て、国際交流基金アセアン文化センターの展覧会制作ほか美術交流事業に従事。鑑賞、教育への関心から、「大和市対話による美術鑑賞事業」を機に2012年よりARDAに参画。学習院大学文学部哲学科美学美術史専攻卒。

 

 

モデレーター:三ツ木紀英(ARDA 代表理事)

英国留学後、美術館だけでなく街や教育・福祉の施設で展覧会やアーティストによるワークショップを企画し、アートによる社会の新たな可能性を開拓してきた。ARDAには創設時から参画。2011年にMoMAの元教育部長フィリップヤノウィンから1年にわたりVisual Thinking Strategiesを学んだ後は、各地の自治体や文化施設と協働し、市民のアート・コミュニケータを育成、それらコミュニティの活動を支援してきた。2021年 東京大学大学院学際情報学府 修士課程修了。

 

 

Session4.「ケアとコミュニティー分け合い、分かり合うコミュニティをつくる」

各地で活躍する鑑賞コミュニケーター達は日々活動を自らブラッシュアップさせ、ときに新たに活動を生み出しています。社会的な実践を続け、活動を創造するコミュニティはどのように営なまれているのか、重要なファクターであるケアとその意味を考えます。

●アートユニット カナ・カナ(村上英子・近藤貴美子)
鑑賞ファシリテーター養成講座の卒業生が立ち上げたグループ。2019年より、メンバー5人のそれぞれの個性を活かして、月に1回、解説のない「対話型アート鑑賞」講座を子ども向けと大人向けそれぞれに実施している。コロナ以降はオンラインでの開催に切り替え、子ども向け講座には世界中の日本語を話す子どもが参加している。

●アートわっか・すぎなみ(島田聖子)
ARDAの自主事業として2013年に東京都杉並区で活動開始。コミュニケーターの愛称は「わっかさん」。区立小学校と連携し、アートカードを使って美術鑑賞授業を行っているほか、地域センターのイベントや児童館などでも自主活動している。自律的にメンバーで活動方針を決めており、コロナ禍でも感染対策をとった授業をいち早く再開した。最近は他地域の小学校からも授業の依頼を受けている。

●ミテ・ハナソウ佐倉(小川綾乃・飯野隆行)
佐倉市立美術館の「対話型鑑賞プロジェクト ミテハナソウ」で、美術館を中心に活動している鑑賞コミュニケーター「ミテ*ハナさん」。ミテ・ハナソウ展の展覧会運営や対話型鑑賞会のほか、市内の小学校や高齢者施設でのアウトリーチ活動を展開してきた。プロジェクト10年目を迎える2023年4月からは、市民団体「ミテ・ハナソウ佐倉」として独立し、活動を継続する。

近藤乃梨子(こんどう のりこ)ARDAコーディネーター

女子美術大学芸術学部芸術学科卒。編集プロダクション、美術館勤務を経て、2015年よりARDAに参画。アートを 鑑賞することを通した個人の探求と他者との関係つくりに関心を持ち、杉並、佐倉、西東京など各地のコミュニケーターと活動をともにし、プロジェクト運営をサポートする。一般社団法人アプリシエイトアプローチ代表。地元でご近所アートコレクティブ「TAMA VOICES」を結成しアートの地産地消を実践中。

 

モデレーター:稲庭彩和子(いなにわ さわこ) 国立美術館本部 主任研究員

青山学院大学文学研究科(修士)、ロンドン大学University College London(修士)。東京都美術館のリニューアルにあたりアート・コミュニケーション事業の立ち上げを担当。社会課題を視野にいれ市民と協働するソーシャル・デザイン・プロジェクト「とびらプロジェクト」や、アートや文化からこどもの社会参加の機会を作るラーニング・デザイン・プロジェクト「MuseumStartあいうえの」、高齢であることをポジティブにとらえる「Creative Ageing ずっとび」などを企画・運営。2022年より現職。著書に『美術館と大学と市民が作るソーシャルデザインプロジェクト』(青幻舎、2018)、『コウペンちゃんとまなぶ世界の名画』(KADOKAWA、2021)『こどもと大人のためのミュージアム思考』(左右社、2022)等。

 

Presentation これからのアーツ×ダイアローグ

これからの10年にむけて、ARDAが目指すアーツ×ダイアローグと、新たに立ち上げたウェブプラットフォームを発表。

 

Workshop. アーツ×ダイアローグを更新するワークショップ

来場者と共に、これからのアーツ×ダイアローグがどうあるべきか、その意味を考えます。3人の専門家へインタビュー映像を鑑賞した後、グループで対話することで、みなさんの考える対話型鑑賞を更新していきます。

登壇者:稲庭彩和子(国立美術館本部 主任研究員) 
ファシリテーター:三ツ木紀英(ARDA 代表理事)
     

インタビュー(映像):

田中功起(たなか こおき)アーティスト

田中は映像やインスタレーション、介入的なプロジェクトなどの多様な芸術実践を通して、日常に潜む複数のコンテクストを視覚化してきた。近年では、人と人との協働に焦点を当てた作品を制作する。参加者たちに非日常的なタスクを集団的にこなすことを求め、そのありえない状況に直面している人々が無意識に示す振る舞いを記録する。それは、小さな社会や一時的な共同体のなかに生じる、集団の力学を明らかにしようとする試みである。
主な展覧会にあいちトリエンナーレ(2019)、ミュンスター彫刻プロジェクト(2017)、ヴェネチア・ビエンナーレ(2017)。

永井玲衣(ながい れい)

学校・企業・寺社・美術館・自治体などで哲学対話を幅広く行っている。D2021メンバー。著書に『水中の哲学者たち』(晶文社)。連載に「世界の適切な保存」(群像)「ねそべるてつがく」(OHTABOOKSTAND)「問いはかくれている」(青春と読書)「むずかしい対話」(東洋館出版)など。詩と植物園と念入りな散歩が好き。

 

西村佳哲(にしむら よしあき) プランニングディレクター、働き方研究家

つくる・書く・教える、3種類の仕事を手掛ける。建築分野を経て、各種デザインプロジェクトの企画・制作ディレクションを重ねる。2015〜21は徳島県神山町の創生戦略策定と実施について中心的に参画。働き方に関する書籍の執筆、ワークショップのファシリテーターなど幅広く活動、東京都美術館とびらプロジェクト・アドバイザーも務める。著書に『自分の仕事をつくる』(晶文社/ちくま文庫)、『かかわり方のまなび方』(筑摩書房)など。