NPO法人ARDA
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こころをつなぐアートプロジェクトvol.5 アート・インクルージョンながまち2011

アートワークショップ 2011年10月28日

■10/16(日)「大震災復興支援!アート・インクルージョン ながまち2011」
「ライブペインティング&インプロミュージック」

アーティスト>>中津川浩章(なかつがわひろあき/美術家)
    ×即興からめーる団(そっきょうからめーるだん/音楽ユニット)

会場>>長町駅前たいはっくるB1ギャラリー
鑑賞人数>>45人

助成:アモーレパシフィック、日本財団ROAD PROJECT
協力:一般社団法人MMix Lab、NPO法人ほっぷの森、アートインクルージョン実行委員会

6月に続き長町駅前でのチャリティイベントに参加しました。このイベントは高機能障害の方々の雇用を作るNPO法人ほっぷの森と、アートでまちづくりをしている一般社団法人MMIX.Labによる「アート・インクルージョン実行委員会によるものです。障がいのある人もない人と共に、あすと長町の仮設住宅にお住まいの200世帯を励まし、支援していくためのイベントです。ARDAは仮設住宅の広場と複合施設たいはっくるの2カ所で活動しました。

中津川浩章×即興からめーる団「ライブペインティング&インプロミュージック」
長町駅前の複合施設たいはっくるの地下一階のギャラリーでは、中津川浩章さんのライブペインティングと即興からめーる団の即興演奏のコラボレーションを行いました。スタートの11:30はまだ人通りが少なかったため、からめーるとスタッフはチンドン屋さんのように駅前の通りから演奏をして声かけを。

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ライブペインティングがはじまると、その演奏と描く姿の迫力に通る人が足を止め、少しずつ観る人が増えてきました。

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画面の上や下に、右に左に大きく動き、時に柔らかく時に画面を突き破りそうな力で描いていく中津川さんの動きに釘付けになりました。

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そこに流れる即興からめーる団の音楽は、深くて優しい、そして美しい音楽でした。みんなが息をのむようにして、目と耳をそばだてて集中していました。

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終わった後に、夢から覚めたように絵の周りに人が集まってきました。中津川さんが語ります。「今日は震災のことを描こうとは思っていませんでした。しかし、画面に向かって描き始めたら、5月にみた東松山の景色をうぁーっと思い出しました。」すると一人の年配の女性が、「変なことを言ってごめんなさい。私70代になんですけど、今回の地震で被災しました。なんか見ていて、地震のや津波のことを思い出してしまって。。。。。でもそれと同時に力をあわせて立ち上がれるんだ、頑張れるんだって、そういう気持ちがこみ上げてきました。本当にありがとうございます。」と言いながら、胸の前に手をあわせてお辞儀をされました。撮影をしながら、私もなんども胸が熱くなりました。あの東松山の途方もない風景と亡くなった方への悲しみがわき上がり、と同時に深く祈るような気持ちになりました。しかし、終わったあとはなぜか救われたような気が。この場にいた人すべての人が、同じような気持ちでいたに違いありません。素晴らしい即興からめーる団の音楽と中津川浩章さんのペインティングとともに、みなで悲しみ、怒り、祈り、そして救われた貴重な時間でした。(三ツ木)

助成:アモーレパシフィック、日本財団ROAD PROJECT

アーティスト:アーティスト>>中津川浩章(なかつがわひろあき/美術家)
    ×即興からめーる団(そっきょうからめーるだん/音楽ユニット)
主催・企画:NPO芸術資源開発機構(三ツ木紀英・近田明奈)
協力:一般社団法人MMix Lab、NPO法人ほっぷの森、アートインクルージョン実行委員会

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■10/16(日)「大震災復興支援!アート・インクルージョン ながまち2011」
「なんでもスイッチ!」

ワークショップ考案>>今井紀彰(いまいのりあき/写真家・美術家) 運営>>ARDA 近田明奈(ちかだはるな)
会場>>あすと長町仮設住宅広場
参加者>>21人

助成:アモーレパシフィック、日本財団ROAD PROJECT
協力:一般社団法人MMix Lab、NPO法人ほっぷの森、アートインクルージョン実行委員会

あすと長町の仮設住宅広場では、今井紀彰さん考案の「なんでもスイッチ」をARDAスタッフ近田による出張バージョンで行いました。なんでも願いがかなう「なんでもスイッチ」と聞き、願いごとをすぐに思いつく人もいれば、ゆっくり作りながら考える人も。そこにも人柄が出てきます。

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イライラoff/ニコニコonのスイッチを作ったのは、仮設住宅にお住まいの若いお母さん。息子さん2人がスイッチを作りながら「お母さんも作れば」と言うと、「じゃあ形を作って」とはじめは頼んでいましたが、「願いごとをかなえるなら、やっぱり自分で作らなきゃね」と、結局全て自分で作りあげました。

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できたスイッチは、晩御飯ができているスイッチ、結婚できるスイッチなどの現実的だけれどちょっとクスッと笑ってしまうユニークなものや、ヘビがたくさん出てくるスイッチ、流れ星が一つ流れてくるスイッチなどのファンタスティックなものまで、様々。参加者も年齢層も小学1年生から72歳のおじさんまで幅広くご参加いただきました。
願いごとの内容を話したり、かざられたスイッチの願いごとを見て納得したり笑ったりと、スイッチをもとに様々なコミュニケーションが生まれていました。(近田)

助成:アモーレパシフィック、日本財団ROAD PROJECT

WS企画>>今井紀彰(いまいのりあき/写真家・美術家)
主催・企画:NPO芸術資源開発機構(三ツ木紀英・近田明奈・並河恵美子)
協力:一般社団法人MMix Lab、NPO法人ほっぷの森、アートインクルージョン実行委員会

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■10/1610/16(日)「大震災復興支援!アート・インクルージョン ながまち2011」

会場>>あすと長町仮設住宅広場

14:00-15:30「からめーるさんと即興演奏!」
アーティスト>>即興からめーる団(そっきょうからめーるだん/音楽ユニット)
人数>>計63人 (WS参加人数25人 鑑賞人数:38人)

14:20-15:00「みんなでライブペインティング!」
アーティスト>>中津川浩章(なかつがわひろあき/美術家)
人数>>計50人 (WS参加人数15人 鑑賞人数:35人)

助成:アモーレパシフィック、日本財団ROAD PROJECT
協力:一般社団法人MMix Lab、NPO法人ほっぷの森、アートインクルージョン実行委員会

 午前中のたいはっくるでのライブペインティングを終えて、即興からめーるのお二人はすぐに仮設住宅に移動。午後から、民族楽器やおもちゃのような楽器などを並べて、鍵盤ハーモニカなどで即興演奏。楽しげな音楽につられて、続々と人が集まってきました。

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太鼓が好きだというお父さんは奥さんが「あなたの好きそうな太鼓があったわよ」と教えてくれたと言って、やってきました。珍しい楽器に子どもから若いお母さん、年配のお母さんも集まって、即興演奏会がすぐにはじまりました。そのうちパトロールにきた、お回りさんがおもむろに電子ピアノに座り、弾き語り演奏を。お母さんたちも大喜びで拍手喝采!

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 そんな楽しさのピークに達する頃、目の前の仮設住宅から険しい顔をした年配の男性がでてきました。「いい加減にしろ!俺は別にいいけど、犬が落ち着かないから、止めろ!」。。。。。。みんなのヒーローになったお回りさんは静かに立ち去りました。家族らしき女性が「お父さん、やめなさい!」とすぐでてきて、場はとりなされましたが、迷惑をかけないようにと、主催者と相談し場所を移動しました。しかし、しばらくするとまた怒っていた男性がやってきました。からめーるさんたちが話をすると、どうやらその方は本当はピアノが好きなんだけど、津波でピアノをなくしてしまい、楽しそうにピアノを弾いて歌っている人がうらやましい気持ちを、怒りで表していたようでした。
からめーるさんたちがそのおじさんとしばらくピアノ演奏をしている間に、中津川チームは場所を移して集まってきた人たちとペインティングをはじめました。中津川さんの言葉がけに従って、真っ白なキャンバスに好きな色で自由に線を描き、丸を描き、好きな動物を描いていきます。

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指で絵の具を塗りたくったり、子どもも大人も描いている人も観ている人もとても楽しそうです。
やがてからめーるさんたちもやってきて、近くで即興演奏がまたはじまりました。年配の女性の方々がやってきて踊りはじめたので、からめーるさんがイスラエルの楽曲マイムマイムを演奏。そうすると益々盛り上がって、お祭りのように手拍子のなか民舞がはじまりました。

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「私72才なんです!元気でしょ!」と踊り終えたお母さん。賑やかな笑い声と笑顔と拍手でなんとも言えない楽しい時間となりました。そうこうしている内に、大きな絵もできあがり。迫力のある、面白い作品に。3点のうち2点を仮設集会室にプレゼントしました。この絵をみて楽しい一日を思い出したり、元気になっていただけるといいなと思います。

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広場沿いの住宅で、窓辺からずっと外を見ている高齢の女性がいました。片付けが終わり帰ろうというときにその部屋から怒鳴り声と物を投げつけるような音が。女性の涙を拭く姿も見えます。しばらく、外で見守りながら、町内会長さんや踊りを踊っていたお母さんたちに相談を。見守りをしているNPOにも連絡をして、部屋番号を伝え、注意深いケアをお願いしました。町内会で移り住んた人たちは、人と人とのつながりがありますが、後から一家族だけで入居してきた人たちはどのような人たちなのかわからないのだそうです。民舞のお母さんたちが「これからも何かないか気にかけていくわ」とっしゃって頂きました。楽しい時間を作れた満足感とともに、私たちには立ち入ることができない仮設住宅の厳しい現実に心が痛んだ一日でした。(三ツ木)

助成:アモーレパシフィック、日本財団ROAD PROJECT

アーティスト:中津川浩章(なかつがわひろあき/美術家)
    ×即興からめーる団(そっきょうからめーるだん/音楽ユニット)
主催・企画:NPO芸術資源開発機構(三ツ木紀英・近田明奈・並河恵美子)
協力:一般社団法人MMix Lab、NPO法人ほっぷの森、アートインクルージョン実行委員会