NPO法人ARDA
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「アート×福祉」実践ワークショップ最終回 「秋色ランチョンマット」

アートワークショップ 2016年11月04日

 第8回<10月8日(土)>ワークショップ「秋色ランチョンマット」実施

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 心配した雨も午後から晴れて、施設前に色とりどりに咲き乱れたコスモスが嬉しそうに見えました。会場に4つの島が作られ各テーブルには材料になる葉っぱや枝、木の実などが職員さんの手で奇麗に並べられ、3原色の絵具が置かれています。そして車椅子や杖をつきながら介護職員さんに誘導され席に着いた参加者を迎えました。

午前中から事前準備をしていた学生達も定位置に立ち、午後2時から施設長のご挨拶で開始。統括役の造形大学院2年生のTさんは、受講生の中で年長さんなので皆に頼りにされている存在。「きのうは眠れませんでした」と言っていたが、無事に全体をまとめてファシリテーターを務めました。ひとり一人の自己紹介もはっきりとしていて良かったです。桜美林大学の3年H君と2年のS君の寸劇は夫婦のコスプレもばっちりで、大受けでした。やはり桜美林大学3年Oさんは「秋」の唄「紅葉」を歌って振りを付け、参加者たちのウオーミングアップを高めてくれました。
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 それから、いよいよ制作に入ります。好きな葉っぱにスポンジで色を塗り、版画のように和紙の上に載せて色を刷り込ませます。その逆に、葉っぱを置いてその上からスポンジで色を付けると白抜きの形が浮かび、色を重ねて深みのある作品に仕上げた方もいました。葉っぱにこだわらずに大胆に色をスポンジでペタペタつけエネルギーに満ちた作品、余白をうまく捉えた作品等、ひとりとして同じ作品はありません。まさに3回目の講座で学んだ「個」の表現が爆発しています。手を絵の具だらけにして楽しそうな表情で「こんな面白いこと誰が考えたの?」と聴かれた私は「若い大学生たちよ!」と。最後の鑑賞はSさんが「オーッ!オーッ!スバラシイ!」を連発しながらひとりでやりこなしました。作品は使えるようにコーティングして戻すことにしました。
世界で一つしかないランチョンマットの上にご馳走を載せた笑顔が見られることでしょう!
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 終了後の振り返りでは「最初、誰も何もやってくれないので焦ってしまったが、介護士さんに助けられました」「唄を歌った時は、みなさんが歌ってくれたので助けられました」と、学生たちは想像以上に施設の方やお年寄りに助けられたと感じたようです。施設側からは、「このようなことは今迄なかったので、ひとり一人の笑顔が見られて良かった」、「入所者のふだんとは違う一面が見られた」「集中がすごかった」などの感想がありました。

★今回のプロジェクトはアートラボはしもとの若い担当者の発案で、ARDAと共催で学生を対象にした初の試みでした。初めてのことで進行途中では迷いや悩みで沈む時もあったと思いますが、問題を共有して、彼女を中心に回を進めました。最終的には地域の大学の、専攻やタイプの異なる学生の参加で、それぞれの個性が活かされた現場でした。また、なによりも受け入れ側の施設の協力体制がすばらしく、この機会に少しでも多くの職員に体験させたいと交代制での参加、入所者を見学に連れてきたり、施設全体でのサポートが素晴らしかったと思います。「また、ぜひよろしく!」と期待されましたが、改めてこのような活動への要望は増えると実感しました。今後、どのように持続可能な活動体制を作って行くかが大きな課題となります。(ナ)

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