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港区ふれあいアート 加藤理愛さんWS「何と踊ろう?音と踊ろう!みんなで踊ろう!」

アートワークショップ 2025年08月01日

2024年10月に港区の「ふれあいアート」事業で、保育園でのワークショップを行いました。ファシリテーターはダンサー・振付家の加藤理愛(かとう りえ)さん。参加者は3~5歳児クラスの8名の子どもたちです。

まずは理愛さんの動きをじっと観察するところから。こしょこしょと床をはう手の指の動きを見て「ゴキブリ!」と元気な声が上がります。ちょっとゾワッとする動きを絶妙にたとえていて、思わず感心してしまいました。
この言葉、担任の先生によると遊びのなかで出てきたのは初めてだとか。図鑑を見るのが好きで生き物に興味があるクラスだから、動きの特徴を適格に捉えられたのかもしれません。
動きのニュアンスを捉える力は自分が動くときにも活かされる力です。これからの時間がさらに楽しみになる序盤でした。

のびのびと動くうちに、自然と色々な動きが生まれてきます。
はじめは理愛さんの動きを5歳児さんがマネをして、それを3・4歳児さんがマネをして…。そして徐々に自分でイメージした動きに変わっていきました。
この時期の子どもたちはぐんぐん成長していく時期。成長の幅がある子どもたちが一緒に楽しめるかどうか気になっていましたが、それぞれのペースで広がっていく様子が見られました。


後半は、身のまわりの物の音を聴いて動いてみます。
理愛さんが音に合わせて動いて見せると、音を鳴らしている5歳児さんは大笑い!自分が出した音で踊ってくれる姿が「おもしろくてうれしい!」という気持ちが伝わってきました。理愛さんは「音を鳴らしている子は“実験”をしているようだった。私の動きに興味しんしんの目をしていた。」と感じたそう。子どもたちは音で、理愛さんは動きでコミュニケーションをとっていました。
逆に理愛さんが鳴らす音で子どもたちが動く時には、音の変化をどう表そうかと試行錯誤。「音を表現する」というと難しそうですが、単に音が鳴ったら動く、リズムに合わせて動く、ということでももちろんOK。音色の変化を表現しようと挑戦する子もいて、自分にあった表現に取りくめることがチャレンジしたい気持ちを引き出しているようでした。


最後は自由にダンスパーティー!「まだやりたい!」との声が上がり、時間を延長して楽しみつくしました。「踊っている時に、誰も私を見ていなかったのはすごいこと。」と理愛さん。みんなが自分の動きで楽しめていたのが印象的でした。

物の音に合わせて動くのは初めての取り組みで、担任の先生も「こんな動きをするんだ」と驚いたそう。園長先生からは「曲に合わせた”ダンス”ではなく、身近な音に着目することが興味深かった。いつでも取り入れられるけれど、日ごろは気がつかない発想が刺激的で楽しかった。」と感想をいただきました。
子どもたちにも先生方にも表現する楽しさを存分に感じてもらえた時間になりました。

(ちかだ)

 

加藤 理愛(かとう りえ) ウェブサイト
ダンサー・振付家。お茶の水女子大学舞踊教育学コース卒。「音楽とおどる」をテーマに、子どもを対象にしたダンスワークショップにて講師を務める他、障害のある子どもたち、青年との活動を多く展開している。2020〜2024年、障害を持つ人達と踊るIntegrated Dance Company 響-Kyoのダンサーとしても活動。