NPO法人ARDA
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まったりわいわいアートクルーズワークショップ(2015年12月23日実施)

対話で美術鑑賞 2016年01月18日

昨年の12月23日(火・祝)、RICOH Future Houseで「クリスマス★フェスタ」という楽しいお祭りが開かれました。前回ご報告した親子向けのワークショップ(アートカードで遊ぼう!)に引き続き、大人向けに実施した「まったりわいわいアートクルーズ」というワークショップの報告です。

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親子向けのワークショップはアートカードを使ったゲームでしたが、大人向けはじっくり絵画作品を観賞することをメインにしました。とはいいつつも、全く知らない人同士で対話しながら作品を観賞するためのウォーミングアップは必要です。
まずは、自己紹介を兼ねて、今回のお祭りのサブテーマである「ラテンクリスマス」にちなんで、各人が思うラテンのイメージに合うアートカードを選んでもらい、選んだわけを語っていただきました。「乾燥地帯、サボテン!」「けっこう標高が高いところなんじゃないか」という気候に関することや、「寛大でケセラセラ的な」「陽気なイメージがありつつ哀愁漂うイメージも同居しているような」という土地の人々を表すことなど、、経験を経た大人ならではの多様なラテンのイメージを共有してくださいました。

雰囲気が和み、空間の温度もあがってきたところで、ゆったりとソファに腰を下ろして全員でひとつの絵画作品の観賞をはじめました。観賞した作品はポール・ゴーギャンの作品です。
今回はいつもと違った形式で2つの作品を扱いました。まず1つめの作品をよく見てもらい、作品について対話をします。次に2つめの作品をすぐ隣に映しだし、それぞれの作品ごとだけでなく、2つの作品の雰囲気の違いやその間になにが起こったか、ということもイメージしてもらう、という形式です。
観賞した作品は、実はゴーギャンが”タヒチにいく前”に描いた作品と”タヒチ滞在中”に描いた作品。「こっち(タヒチ渡航前)は儀礼的で楽しそうじゃないけど、あっち(タヒチ滞在中)は人間が伸びやか、いきいきしている」、「自分が自宅に飾るならこれ(タヒチ滞在中)。向こう(タヒチ渡航前)のはちょっと飾っておくと心が暗くなりそう」などの意見が出ました。

2つの作品がどこで描かれたか、ゴーギャンがどんな状況だったのかなどの情報は全くお伝えしていないにも関わらず、作者ゴーギャンの心情や状況を感じ取っているかのような発言がたくさん出て、深く観察して観賞できたのではないかと思います。

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なお、会場のRICOH Future Houseには「インタラクティブ ホワイトボード(電子黒板)」という、映したものをスマホの画面操作のように手の動きで拡大縮小することができる便利なツールがあり、細かい描写をよーく見るのにとても重宝しました。

RICOH Future Houseでは、今後も大人向けの観賞ワークショップを開催する予定ですので、お時間があれば皆さんにも、ぜひ足を運んでいただきたいと思います。(おじゃ)
RICOH Future House